社会人一年生の岡野穂摘は、この梅雨、すっかり滅入っていた。学校の勉強ができても、社会で通用するのとは、また全然違うのだと痛感し、しかも初めての一人暮らしで、家に帰って話せる相手もおらず、軽いウツに入っていた